
「ホットミルクは安眠効果がある」という話も、世間ではよく聞きます。
筆者も牛乳が大好きなので、朝食で必ず飲みます。
夜は、特に体が疲れていない日や興奮や不安がおさまらない日に、睡眠薬の代わりに、ホットミルクを飲みます。
方法は、デミタスカップ(トルココーヒーやエスプレッソを飲むときに用いられる小さなカップのことで、通常のコーヒーカップの半分程度の大きさ。容量は45cc~65cc)に一杯を注ぎ、レンジでチンして、すぐに飲みます。
必ず上記の方法を試すと、筆者は1~2時間以内に睡眠に入れます。
今回は、筆者が試してきた「ホットミルク」による睡眠対策が、不眠で悩むあなたにとって、科学的な根拠もある有効な手段か否かを調査しました。
ホットミルクには、リラックス効果がある
寝る前に温かいミルクを飲むとよく眠れるという話を聞いたことがありませんか?
これには、いくつかの理由があると言われています。
1つは、牛乳のたんぱく質が消化して作られる「オピオイドペプチド」に、神経を安定(リラックス)させる作用があり、眠りを誘うと言われています。
眠りを誘うホルモンの1つに「メラトニン」という物質があります。メラトニンは、もともと体内にはないので、食事を通して取り入れるしか方法ありません。
このメラトニンの原料である「トリプトファン」が、牛乳に多く含まれています。
血液中に取り込んだ「トリプトファン」は脳に達すると、体内で鎮痛や鎮静効果がある神経伝達物質「セロトニン」という物質になります。
やがて「メラトニン」が生成されます。そのため、脳内がおだやかになります。
体内で以下の流れで「メラトニン」が作られるとご理解ください。
「トリプトファン」→「セロトニン」→「メラトニン」
よく眠れないときには、寝る前のホットミルクがおすすめです。
“ホットミルクで安眠”の医学的な根拠は不十分で疑問。
ホットミルクの安眠効果に関して、睡眠を専門に研究する医師の話を紹介します。
「ホットミルクには寝つき・寝起きをよくする働きがある「トリプトファン」が多く含まれているので、眠れない人には最適です。コップ1杯程度の量をゆっくり味わい、リラックスして眠りにつきましょう。」
「牛乳には、確かに「トリプトファン」という安眠成分が入っている。しかし、この成分が含まれるのはごくわずかで、もし、牛乳から十分な安眠作用を得られるだけのトリプトファンを取るなら、実はドラム缶半分もの量が必要となる。」
寝る前にリラックスさせる意味で寝つきをよくする効果があるとする見解がある一方、睡眠を促す成分が含まれているが、実際に微々たる量しかとれないので効果がないという見解もあります。
また、牛乳に豊富に含まれるカルシウムがイライラを抑えるという話も正しくはありません。
ただし、カルシウムが不足した食習慣はイライラを作りやすいということです。
したがって、コップ一杯分のホットミルクと睡眠には、医学的な根拠があるとは言えません。
まとめ
論点を整理すると、以下のようになります。
- ホットミルクに含まれる成分に、寝つきを良くするリラックス効果はある。
- ホットミルクが睡眠を促す効果をあると断言できるまでの医学的な根拠はない。
ただし、筆者のようにホットミルクを飲んだ後に寝つきが良くなる人もいると思います。飲むと睡眠に良い影響が出ている理由として、2つ考えられます。
1つは、ホットミルクを飲んだ日はほぼ寝つきが良くなります。だから「ホットミルクは最良の薬」と迷信のような心理が、どうしても個人的に働きます。
2つ目は、ホットミルクで睡眠を促す効果(睡眠を誘うホルモンの「メラトニン」を体内で作り出す効果)を得るには大変多くの量をとる必要があり、時間も要します。
しかし、ホットミルクの成分が持つ精神を安定させる機能が、個人的に有効に働き、睡眠の手助けとなっているのだろうと感じています。
繰り返しになりますが、ホットミルクの安眠効果に医学的な根拠やデータはありません。
それでも牛乳が嫌いでないならば、気持ちが落ち着かない就寝前に、ぜひミルクを温めて飲んでみることをおすすめします。




