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酒を飲んだ夜にひどい寝汗を避ける不眠症対策

酒を飲んだ夜にひどい寝汗を避ける不眠症対策

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お酒(アルコール)を飲んだ夜に、寝汗がひどくて朝までほとんど眠れなかったという経験をお持ちの方は多いと思います。

お酒を飲んで時間が経過すると、何をするのも面倒くさくなり、眠気が起こります。そして、いつの間にか寝入ってしまいます。

ところが、寝入った後に大量の寝汗がとまらず、途中で何度か目が覚めて困ったことはありませんか?

実は、お酒と寝汗には深い関係があります。翌朝起きると 「寝るためにエネルギーを消耗し、くたびれた」「目の下に大きな隈(くま)ができ、日中に眠くて仕方がない」という感覚になります。

睡眠不足を解消して翌朝を快適に過ごすため、寝汗の原因を知りその対策を立てるのが大事です。お酒を飲んだ晩に、寝汗をかきすぎて眠れない方にその原因と対策を解説します。

目次

  • 1 1.飲酒で眠くなるのは、一時的に脳が麻痺(まひ)するから
  • 2 2.寝汗は自然に出るもの
  • 3 3.お酒を飲むと寝汗が促進される
  • 4 4.寝汗が引かないのはアルコールの分解が遅くなるから
  • 5 5.アルコールが汗になる時間をチェック
    • 5.1 5.1.アルコール量(グラム)の目安
    • 5.2 5.2.アルコール分解量(1時間当たりのグラム)
    • 5.3 5.3.アルコール分解時間(=アルコール量÷アルコール分解量)
  • 6 6.アルコールが汗になる時間は個人差がある
    • 6.1 6.1.体格差による違い
    • 6.2 6.2.男女差による違い
    • 6.3 6.3.人種や遺伝による違い
    • 6.4 6.4.年齢差による違い
  • 7 7.アルコールが汗となる時間は経験で覚える
  • 8 8.飲酒に関係なくひどい寝汗が続く場合、病院へ
  • 9 9.まとめ

1.飲酒で眠くなるのは、一時的に脳が麻痺(まひ)するから

お酒を飲むと何をやるのも面倒くさくなり眠くなります。この時、脳の一部が麻痺(まひ)した状態にあります。

脳内にある物質と、お酒の主成分であるアルコール(厳密に言うとエタノール)が、眠くなることと関係しています。

アルコールが脳内の物質にどう影響するのでしょうか?

私たちの脳内には「脳の興奮に関わる物質(グルタミン酸)」と「脳の抑制に関わる物質(GABA)」の2つが存在します。通常は、この2つの物質がバランスを保った状態にあります。

お酒を飲む(アルコールをとる)と、アルコールの大部分は肝臓に移動して分解が始まります。この時、肝臓で分解できなかった一部のアルコールは心臓へ送られ全身を巡り、脳に到達した後、再び肝臓に戻ります。

脳に到達したアルコールは、前述のグルタミン酸(脳の興奮に関わる物質)の作用を弱め、反対にGABA(脳の抑制に関わる物質)の作用を刺激して強め、バランスが崩れます。
脳内のGABAとグルタミン酸のバランス状態
そのため、アルコールを飲むと脳内の神経活動が抑えられ眠くなります。いわゆる、脳が麻痺(マヒ)して酔った状態を作ります。

肝臓で分解できないアルコール(お酒の主成分)が脳に達する間は、脳内の神経の活動を抑えるので、眠い状態が続きます。

2.寝汗は自然に出るもの

人は、お酒を飲まない日でも自然に寝汗が出ています。

実は、お酒を飲む飲まないに関係なく、眠りに入ると、自律神経(自分の意思とは関係なく無意識に働く神経)が働いて体温を下げるよう働きます。

そして、体温を下げるために寝汗が出ます(体温と汗は、皮膚にある汗が蒸発する際、体内にこもった熱を奪って外に逃がし(気化熱)体温が下がる関係です)。

人は、一晩に約200~350ccの寝汗をかいています。これは、良質な睡眠がとれるように体温調節が自然と生理的に行われて、体から汗が出ているのです。

自然にかく寝汗は、掌(てのひら)や足の裏、吐く息から自覚しない程度の量の水分が蒸発します。蒸発しているので、起きても寝汗をかいたことに気づきません。

つまり、寝汗は、誰でもいつでも自然にかくものです。

3.お酒を飲むと寝汗が促進される

お酒を飲まない晩でも、自然と少量の汗が出るものです。この自然に出る汗の他に、飲酒日に半端なく大量の汗をかいて眠れない場合があります。

お酒を飲まない日と比べて寝汗がひどくなる原因は、お酒に含まれる成分のアルコールのせいです。これには、以下2点が原因です。

  1. アルコールが血管を広げて汗をかく
    血管が広がると血行(血液の流れ)が良くなります。血行が良くなると体の末端に血液が集まり、皮膚の温度が上がります。そのため汗をかきます。
  2. アルコールの他の働きとして、アルコールが肝臓で分解(代謝)された後、最終的に汗となり体外に排出される

このように、お酒のアルコールが体内の各部分に影響を与えて汗となります。

4.寝汗が引かないのはアルコールの分解が遅くなるから

お酒を飲んだ日に寝汗を大量にかくと同時に、寝汗が止まらず寝不足になるのはなぜでしょうか?これには睡眠とアルコールの分解速度が関係しています。

その理由は、目が覚めているときと比べて、睡眠中は、アルコールを分解する酵素が低下し、アルコールの分解が遅くなるからです。

私も朝まで寝汗が止まらないので病気ではないかと心配することがよくありました。でも、取り越し苦労でした。

寝ている間はアルコールの分解速度は遅くなるので、なかなか寝汗は引かないのです。

寝汗が止まらず眠れない場合は、一度起きて涼んだり水を飲んだりして体を冷ましてから寝床に入りましょう。この起きている間に体のほてりも冷めて、アルコールの分解速度も早まり、寝汗も止まるのです。

5.アルコールが汗になる時間をチェック

寝汗で苦しまずに寝るには、就寝前に尿や汗として外に出しておくことが大事です。それには、お酒(アルコール)を飲み始めてから汗になるまでの時間を頭に入れておくと、ひどい寝汗に苦しまなくてすみます。

お酒を飲んだ直後に寝る行為は、寝ている間にアルコール分解が行われるので確実に寝汗をかくことになります。

また、お酒を飲み始めて30分~1時間経つと脳が麻痺(まひ)して初めの眠気が襲ってきます。この時点でベッドや布団に向かうのは、厳禁です。なぜならまだ尿や汗が出ていない段階であり、寝汗をかく危険があるからです。

そこで、寝る前に汗を出しておくには、アルコールが肝臓で分解されて汗となる時間の平均値(目安)を知る必要があります。

平均値(目安)を知る方法を以下で説明します。

5.1.アルコール量(グラム)の目安

アルコールが分解されて汗となる時間を知る前に、アルコール量を確認しておく必要があります。下表で、酒の種類ごとのアルコール量の目安を示します。

酒の種類 度数 単位 酒の量 アルコール量
目安
ビール 5% コップ1杯 180ml 7g
中ジョッキ1杯 350ml 14g
1缶 350ml 14g
1缶
中びん1本
500ml 20g
大びん1本 633ml 25g
焼酎・泡盛 25% コップ1杯 180ml 35g
水割り(1対1)コップ1杯 18g
日本酒 15% 1合
(コップ1杯)
180ml 22g
ワイン 12% グラス1杯 120ml 12g
ウイスキー 40% シングル1杯 10g
ダブル1杯 19g
梅酒 10% コップ1杯 180ml 14g

5.2.アルコール分解量(1時間当たりのグラム)

次に、1時間でアルコールが分解されて汗や尿や呼気(吐く息)に変わる量(アルコール分解量)を理解しましょう。

樋口進氏(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長)のグループの実験結果では、アルコール分解(消失)量の平均値が以下のとおり示されました。

男性が、およそ1時間に9g、女性が6g程度。

2時間でその倍、3時間でその3倍と、ほぼ正比例した量で分解されていきます。

5.3.アルコール分解時間(=アルコール量÷アルコール分解量)

アルコール量をアルコール分解量(時間当たり)で割ると、アルコールの分解時間を計算できます。

例えば、1人がビール中ビン1本(アルコール量・20g)を飲む場合
(1時間に男性が9g、女性が6gでアルコールを分解する)
男性
 約2.2時間=20g ÷ 9g
女性
 約3時間 = 20g ÷ 6g

これでアルコールが汗になる時間の平均を計算できます。ただし平均値は標準値とお考えください。実際、アルコールが汗になる時間は個人差が大きく出ます。次に、個人差について詳しく触れます。

6.アルコールが汗になる時間は個人差がある

アルコールが分解されて汗と尿になる平均的な時間(以下、アルコール消失時間)以外に考慮すべきは、アルコール消失時間について個人差が大きいことです。個人差を4つのパターンに分けて説明していきます。

6.1.体格差による違い

体格が大小で、アルコールの分解速度が違います。

体格の大小は肝臓の大小と関係し、肝臓の大きさで分解速度が変わります。肝臓が大きいと分解が速くなり、小さいと分解が遅くなります。

体格が大きいというのは、太っているという意味ではなく、筋肉と骨が大きくて体重が大きいという意味です。体から脂肪分を除いた体重(除脂肪体重)が大きいと、肝臓が大きいと言われています。

筋肉と骨が大きくて体重が重い人(体格が大きい人)は、脂肪が少なく脂肪を除く体重が大きいので、肝臓が大きいという話です。

だから、トレーニングをして筋肉量を増やすと、肝臓も大きくなります。

6.2.男女差による違い

一般的に女性は男性よりもアルコールの分解は遅いです。

理由は複数あります。主な理由を1つ挙げると、女性は男性よりも体格が小さく、体に占める脂肪の割合が高いからです。当然、体から脂肪分を除いた体重(除脂肪体重)も男性より小さく、肝臓は小さいのです。そこでアルコールの分解が遅くなります。

ただし、同性同士でもアルコールの分解速度が速い人と遅い人の差が大きい事が実験で分かっています。下表は、1時間にアルコールを分解できるグラム数です。

性別 分解量が多い人
(1時間)
分解量が少ない人
(1時間)
同性間の差
男性 約13g 約6g 約2倍
女性 約10.5g 約3.5g 約3倍

6.3.人種や遺伝による違い

人種や遺伝の違いで、アルコールの分解速度も違います。

人種や遺伝によって、先天的にアルコールを分解する酵素(アルデヒド脱水素酵素(ALDH))が強く働く人と弱く働く人がいることがわかっています。弱く働く人は分解が遅いです。

人種でみると、日本人を含む黄色人種・モンゴル人種は他の人種(黒人や白人)よりも酵素が弱いといわれています。日本人は欧米人よりもお酒が弱いと言われるのも納得できます。

6.4.年齢差による違い

高齢になると、若い頃よりもアルコールの分解速度が遅くなります。

理由は複数ありますが、主な要因を2つ紹介します。

1つ目は、加齢で肝臓の機能が低下し、アルコールを分解するスピードが遅くなるためです。

2つ目は、加齢で胃にあるアルコールを分解する酵素の働きが悪くなるからです。

口から入ったアルコールは胃にある間に、一部分解されます。加齢とともに胃の粘膜が老化し、胃の粘膜にあるアルコール分解の酵素も失われていきます。そのため胃でアルコールの分解があまり働かなくなるのです。

若い頃と同じ量の酒を飲んでもお酒が翌日残るのは、胃や肝臓の働きが弱くなっているのです。

分解速度が速いのは30代でその後は分解速度が落ちていくと言われています。

7.アルコールが汗となる時間は経験で覚える

アルコールの分解速度は、年齢、性別、体格、人種、遺伝により個人差が大きく出ます。したがって、前章で解説したアルコールの消失時間の平均値を、そのまま活用するのは難しいです。

結局、アルコールが汗となる時間は、自らの経験で把握するしかありません。

少し面倒ですが、以下のステップで進めてみてください。

  1. アルコール消失時間(以下、酔い覚まし時間)の平均値を知る
  2. 平均値(標準値)と個人差を考えて、自分の酔い覚まし時間を設定
  3. 設定した酔い覚まし時間が過ぎて寝る習慣を守り、本当に最適な酔い覚まし時間を発見。

8.飲酒に関係なくひどい寝汗が続く場合、病院へ

室内環境の暑苦しさやお酒を飲んだ日でもないのに、ひどい寝汗をかく場合は病気の可能性があります。

ひどい寝汗から考えられる主な病気を以下に示します。記事のテーマである「お酒と寝汗」の内容から外れるので、詳細な説明は割愛します。こうした病気には以下のようなものがあります。

  • 神経疾患(自律神経失調症)
  • 悪性腫瘍(リンパ腫、固形がん)
  • 感染症(結核、心内膜炎、HIV感染症など)
  • 薬剤(抗うつ薬、解熱鎮痛薬、コリン作動薬、糖尿病治療薬、ホルモン薬など)
  • 内分泌疾患(甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、カルチノイド症候群など)

特に何日も寝汗がひどい状態が続く場合は、ためらわず病院に行くことをおすすめします。

9.まとめ

飲酒と寝汗と睡眠の三者の関係、お酒を飲む日にひどい寝汗に会わないポイントをもう一度整理します。

  • お酒を飲むとアルコールが脳内物質を刺激して眠くなる。
  • お酒のアルコールが、寝汗を大量にかく原因
  • お酒のアルコールは、肝臓で分解され最後に汗(寝汗)や尿に変わる。
  • アルコールが抜けないまま寝ると寝汗が止まらなくなる。
  • アルコールが分解されて汗や尿となる時間(以下、酔い覚まし時間)の目安をチェック。
  • 酔い覚まし時間の平均値を標準としつつ、属性(人種、遺伝、性別、体格、年齢)による個人差も考慮する。
  • 飲酒後、数時間経ってから寝る習慣を守り、酔い覚まし時間を自分で探す。
  • 自分で探した酔い覚まし時間が過ぎて寝床に入る。

以上を心がけることで「お酒を飲んだ翌日が寝不足でつらい」という悩みから解放されます。

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